こんな症状は枕を疑え!

首筋の痛み

合わない枕で頚部が圧迫されると、首周辺の筋肉が緊張します。首を支える筋肉は十数種類あるのですが、どこか一箇所に負担がかかると連鎖的にさまざまな筋肉が緊張し始めます。すると交感神経の働きが高まって血管が収縮するし、血管自体も圧迫されて首周辺の決行が大幅に阻害されます。

その結果首筋にコリや張りといった症状が生じてきます。また、枕が合わなくて窮屈な姿勢で寝ていると「斜頸」「寝違え」なども起こることがあります。七本の頚椎のうち、3番4番を圧迫するような枕を使っていると首周辺にさまざまな症状が出てきます。

こんな症状の方は高すぎる枕は禁物です。


肩こり

首と同時に肩こりを訴える方が大半です。そもそも首を支えている筋肉は肩にもつながっていますし、首と肩は同じ神経(3番、4番)の支配下にあります。そのため合わない枕が頚椎を圧迫すると、首と肩のこりがワンセットになって生じる場合が多いのです。


朝目覚めたときから肩が張っているとか朝最も強い症状が出ている場合は枕が重大な要因と考えられます。また、不安定な枕も肩こりを誘発します。枕に安定感がないと、寝ている間に頭が滑り落ちて結果的に枕無しで寝ているのと同じ状態になります。

脊椎が伸びきって首の筋肉が縮まった症状になり方につながる筋肉の決行が大幅に阻害されます。羽枕など頭が深く沈みこんで枕無しに近い姿勢になる方は少し固めの安定感のある枕に変えることをオススメします。

肩こりが起こる背景には生命にかかわる重大な病気が隠れている場合があります。

例えば、狭心症や心筋梗塞の前ぶれは、肩から背中にかけて走るような痛みが繰り返し起こることは良く知られています。

肩に違和感を感じたら、病院で基礎疾患の有無を調べてもらって下さい。もしかしたら枕以前の問題があるかもしれません。五十肩、椎間板ヘルニアなども症状の緩和のために枕をお考えください。


頭痛

交感神経を過度に緊張させて脳への血流を悪くするために起こります。頚椎の2番3番を圧迫すると痛みを覚えます。朝目覚めたときに頭部に鈍痛を感じるようなら枕を疑う必要有です。「不安定な枕」「低すぎる枕」などが原因です。


枕が不安定だと頭の収まりが悪く首に負担がかかります。
枕が低過ぎると心臓の高さよりも脳の高さが低くなるために頭がうっ血して眠りが浅くなります。いずれも深い眠りが得られないため目覚めたときに頭が重く感じたり頭がすっきりしないといった深い症状が出てくる訳です。


頭痛が生じてくる背景にもさまざまな病気が隠れていることがあります。
頭はとても大事なところですから、痛みを感じた場合は一度病院で基礎疾患の有無を調べてください。特に刺すような痛みは要注意!


腰痛

枕が原因で腰痛が生じるケースは決して少なくありません。
頚椎は前に、胸椎は後ろに腰椎は前にというようにS字にカーブをしています。こうした絶妙なカーブのおかげで、背骨全体が一種のバネのように働き、絶妙のバランスと強さが維持されています。


しかし、あまりにもバランスが絶妙であるがゆえに、背骨のカーブのどこかに乱れが生じると背骨全体にきしみが生じます。加齢とともに頚椎が変形し、背骨のS字型が崩れてくると、体のバランスを維持するために腰椎が不自然な湾曲を強いられます。

そのため首の悪い人はそのうち必ず腰も悪くなってくるし、その逆に、腰の悪い人は首も悪くなるという悪循環におちいるのです。寝具に問題があると寝ているときも背骨は不自然な湾曲を強いられます。つまり寝ることでさらに腰痛をひどくするのです。

朝起きたときから腰が痛むような場合は、敷き布団やマットレスとともに枕を疑う必要があります。腰痛が起こりやすいには、「高すぎる枕と」「低すぎる枕」です。

手のしびれ

もともと抹消の血管が細くて、手の先までうまく血液が循環しないタイプの人は日常的に手の痺れを感じます。冷え性の人はこのタイプです。またパソコンやオペレーター、スーパーのレジ打ちピアニストも手の痺れを起こすことがあります。

これは筋肉や腱の間を通って指先まで伸びている神経や血管が圧迫されるためです。合わない枕で首を圧迫されると交感神経を過度に緊張させて末梢神経の循環を悪くします。頚椎の5番6番の神経節が圧迫されると親指側に、7番の神経節が圧迫されると小指側にしびれが出るのが特徴です。

枕の形が変わってしまう変形枕は要注意です。


いびき

睡眠中は筋肉が緩むため、口が多少開いた状態になり、舌がのどの奥のほうへ下がってしまいます。すると、口から吸い込む空気の通りが悪くなって、軟口蓋が振動して音が発生する場合があります。これがいびきです。

一時的なものは問題ありませんが、慢性的ないびきは要注意。原因は鼻かのどにあります。

鼻の場合は鼻炎や蓄膿症、のどは扁桃腺の肥大やアデノイドなどの病気によって気管が腫れてせまくなり、いびきが聞こえます。また肥満もいびきをかきやすいことが知られています。高いびきで名手いる様子は、一見実に気持ちよく熟睡しているように見えます。

しかし、昔から「いびきをかくものは夜聡し」と言われるように、眠りはとても浅いのです。

そのため、いびきをかく人の中には、慢性的な睡眠不足の方がいます。自動車事故を起こす人は、いびきの常習犯が多いというデータもあるほどです。「睡眠時無呼吸症候群」なども問題になっています。


いびきをかく人の7割位にこの症状が見られるそうです。たかがいびきと考えずに必ず専門医に相談してみるべきです。鼻やのどに問題がない場合は枕が原因の可能性があります。特に「高すぎる枕」を愛用している人は、枕が真犯人の疑いが濃厚です。


めまい

めまいは内耳の生涯によって起こる例が圧倒的に多く見られます。三半規管という、体のバランスをつかさどる組織があるのですが、冷えとか、何らかの障害で体の水平感覚がなくなり、めまいやふらつきなどの症状が引き起こされます。

一過性のめまいから、慢性の内耳疾患などに続いて起こるメニエル氏病などさまざまです。めまいの原因として三番目に位に多いのは首に由来するめまいです。例えば、車の衝突事故で首を痛めた人が、後々までめまいに苦しむ例があります。


釘に大きな衝撃が加わると、首の周りに張りめぐらされている交感神経の緊張が高まります。さらに、衝撃によって変形した頚椎が、頚椎の後ろを走っている軟骨動脈を圧迫する場合もあり、脳への血流を悪くしてめまいが生じてくると考えられます。


枕が合わなくても寝姿勢が崩れて交感神経を緊張させて脳への決行を悪くさせることがあります。特に「支持性のない枕」はめまいを起こしやすいので注意!


高血圧

高い枕は、たとえ寝入りばなは心地よく感じても、そのまま長時間寝ているとぐっすり熟睡できません。頚椎を圧迫して交感神経を緊張させて、眠りを浅くします。これは高血圧の人にとって重大問題です。


猫背

胸椎が前かがみに全屈しているぶん、頚椎がバランスをとるために逆に後ろに反って、アゴが前に突き出た格好になります。猫背の人は首の湾曲が大きいため首の部分がやや高めの枕がいいでしょう。


首のシワ

高すぎる枕をしていると頚椎が前屈を強いられるため、首の前側の皮膚が縮みしわがよります。毎晩毎年同じところにシワが寄る状態が続くと深いしわが刻み込まれる可能性も考えられます。たてに刻まれるシワは老化によるものですが、横に刻まれるシワは合わない枕や首の湾曲によって生じる可能性があります。

顔のむくみ

朝起きた時目が腫れるとか、顔がむくむ人は低すぎる枕か枕無しの状態で寝ている可能性があります。後頭部が心臓の高さより低くなるため、重力の関係でどんどん頭に血が上ってしまいます。その結果脳に血液が滞留し顔にむくみや腫れが生じるのです。

参考 奥山隆保 著 「合わない枕は病気をつくる」


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